2022
17
Apr

探偵!円筒スクープ

水沢にて 円筒分水的な公園を探る

それは日光の近く、今市用水円筒分水井を見に行った際の話でした。

円筒分水を巡って幾年、自分以外の円筒分水ファンに初めて現地で出会ったのです。今市用水円筒分水井の奧には小さい円筒分水があるのですが(下瀬川分水井)そこに向かって藪をかき分け進むと、逆側から別の方が藪をかき分け同じ方向に進んで行くではないですか。

「もしかして、円筒分水ですか?」「ええ」という簡単な挨拶のような会話の後、色々話し込んだ後に、こういうお話を聞かせてくれました。
徳水園の円筒分水の横(=東)に、小さい円筒分水があるのを知ってる?

スマホからGoogle mapを見せてくれて、この横にあるんだよと徳水園の真横にあるあるポイントを拡大して見せてくれました。まさに円筒分水(っぽい)形の構造物。自分はその存在を知らず、とはいえあんまり根掘り葉掘り聞き込むのもなんか恥ずかしくて、そうなんですか、いいお話ありがとうございます~行ってみますね。と簡単に答えてその日は別れたのです。

これがこの案件の始まりでした。

自宅に戻って今市用水円筒分水井の写真を整理しながら、気になったその小さい円筒分水の話をTwitterで投稿して聞いてみたのでした。

皆さん色々探していただき、これじゃない?いやいやそれは違う、これかしら?うーん違うでしょう。という盛り上がりがしばらく続き、誰も見つけられないまま半年近くが過ぎてこの話題も消えかけていたとある日。いつものごとく「円筒分水」のキーワードでTwitterを検索していると、こういうツイートを発見したのです。

「寿庵廟に向かう道の中間あたりにポケットパークがあります。 ここには円筒分水工を模したオブジェと木々に囲まれたベンチがあり…」

奥州市の方のツイートでした。寿庵廟は水沢にあり、こんな市内に円筒分水っぽい施設があるんだ…ん?とここでピーンと来たのです。慌ててGoogle mapを開いて見て見ると…あった。

まんま円筒分水っぽい構造物。位置は正に徳水園の真東。ああ…これだったんだ。この発見報告をして、協力してくださった方に御礼をしたのでした。

そして、春になり水沢の徳水園に行く機会ができたので、ここぞとばかりに現地に行ってみることにしました。

まさに円筒分水を模した公園でした。それにしてもなんでここに円筒分水モチーフの建造物が?

それはこのボードにヒントがありました。

寿庵の道の寿庵は後藤寿庵、徳水園のある胆沢扇状地開拓ための大規模な用水「寿庵堰」で有名な戦国武将。 徳水園という円筒分水は「寿庵堰」と「茂井羅堰」の水争いから作られたもの。ここに寿庵の利水に由来するものがおかれても不思議はない、ということだと思います。

ほぼ一年かかった謎解き。ここで一件落着となりました。円筒分水を巡る中でこういう出会いやこういう発見があった、というお話でした。

【地図はこちら】