「初公開」っていう言葉に人間は弱いもんですね。
東京から見に行ってきました、岩手の徳水園の最深部初公開。水を抜いた円筒分水の中を隅々まで見学できるという円筒分水ファンにとっては垂涎のイベント。特に今回はサイフォンで水が噴き出す地下のルートまで全部見せちゃいますというなんとも豪華な仕様。技術的な話とかそういう事はそちらに造形が深い方にお任せして、こちらではとにかく見てきた雰囲気をレポート。
現地に到着すると、立派な櫓が組まれてて、中には休憩スペースまで。ベンチとか机のサイズを見ればこの円筒分水のサイズ感がわかってもらえるかと思います。
受付を済ませ、時間になると事前の指示通り持参した長靴を履いて、ヘルメットをお借りしていざ円筒分水の中に。
事前申し込み制で1組30分で20名まですが、私が参加した組は飛び入り参加込みで6-7名の参加者でした。なんともったいない。
まずは櫓を登って分水槽を越えて、普段は真ん中の水の吹き出ている穴を降りて、水が流れ込む奧の奧まで進んだここで円筒分水工の説明を受けました。普段はこの上の穴から轟々と水がここに流れ込んで来ています。その量最大毎秒16トン。
この穴に流れ込む水が完全に止められず、水がちょろちょろと流れてきてくるぶしぐらいまで水があります。確かに長靴がいりますね。そしてその水の冷たいこと。まだ桜も満開ではない時期なので、正に雪解け水なんですね。
そして流れ込んだ水はこの水路を抜けて、真ん中の円筒に向かいます。この水路の天井が汚れていなく綺麗なのは、常にここが完全に水没して天井まで水が埋まって流れているからです。当然ここも普段は全く見ることができない場所になります。
そして、いよいよ円筒部分の真下に近づいてきました。ちなみにこの真正面の壁が一番水流が当たる場所なので、壁が欠けてきていて以前補修を行ったことがあるそうです。
いよいよ水の湧き出し口に到着。この左下に見える口は普段は水没していて、なんとなく水中に見える湧き出し口です。湧き出す水量を円筒に均等に分配するために、外側の枠が一旦吹き出した水の勢いを受け止めて、その下に見える四角い穴から勢いを落として円筒に水を流しています。よく円筒分水に見られる内側の丸い枠はそういう役割を持っているんですね。
真正面には徳水園名物の3本の噴水も見えます。
湧きだし口を下から見るとこうなります。なんとなく水位もわかりますが、横の椅子と比較するとその高さがわかるかと思います。
最後に、いつも自分達が眺めてる方を向いて円筒の渕から。このアングルは貴重ですよね。
とにかく懇切丁寧に説明をしてくれて、質問にも気軽に答えてくれた職員の方々に感謝です。なによりこういった施設を皆さんに時間をかけて準備して公開するという熱意に感動しました。マスコミの取材の方もこられていたようで、折角なら見てわかるという事に意味がある施設なんですから、もっと広めてみんなが見に来て欲しいですよね。
30分、あっと言う間でした。本当にエキサイティングな時間を過ごさせていただきました。
ちなみに、普段の徳水園の様子はこちらでご覧になれます。
日本最大級:徳水園(円筒分水探訪)