とても水量の多いこの円筒分水、近づいて撮影するのが怖かったです。まさに足がすくむ程の迫力。一般的に円筒分水の吹き出し口は自分の立っている高さと同じかそれより高い位置にあります。しかしここは水が吹き出す高さが地面より低く、のぞき込むような位置です。低いところで分水された水はすぐに勢いよく地下の水路に吸い込まれていきます。この吸い込まれる水量が多く水音も大きいので結構怖い。さらに水の噴き出し口は丸ではなく長方形で大きく、水が静かにかつ大量にこんこんと湧き出しています。それはまるで地獄の釜の蓋を開けてのぞき込むような雰囲気。日暮れの時間に訪ねたこともありますが、見るのが怖かった円筒分水でした。
とまあ当日の感想はこうだったのです。しかし家に帰って写真を改めて見てみると評価は一変。音がしない環境で見るとかなり美しい円筒分水でした。なぜなら水量の多さの迫力と水の綺麗さ、質実剛健なデザインだからです。近くにある東山の円筒分水も美しさで有名ですが、こちらも実用的な美しさに満ちあふれてます。また再度訪れるなら日が直接当たる午前中に来てみたいです。
—– 探訪メモ —–
道路沿いにあり、前にしっかりとした円筒分水を示す標識があるので場所はとてもわかりやすいです。横に簡単に駐車できるスペースがあるので車でも気軽に見学ができます。片貝川を挟んで向かい側には有名な東山円筒分水槽があるので是非両方訪ねてみてください。