その美しさで有名な円筒分水。円筒というより円錐を切り出したような形は、他にはないフォルム。この円筒分水の特徴でもあり美しく見える理由の一つです。溢れだした水が垂直に流れ落ちるのではなく、円錐の側面に沿って流れます。それにより、水が流れ落ちる姿が強調され、流線が引き立ちます。
理屈で語ればそういうことなのですが、百聞は一見にしかず。見ればその美しさに圧倒されます。当日は生憎水量が少なく、水が広がるように落ちる姿がさほど目立つわけではなかったですが、それでも十分そのフォルムの美しさを堪能することができました。
また、円筒のフォルムだけではなく分水工全体の美しさも秀逸です。上流から来た水を受け止めて流域に公平に分配し土地を潤し最後に海まで流れていく。というストーリー全体を眺められるような場所にあります。源流となる山と川の流れ、円筒分水と水路、流域の田畑、その先の海、それを全部俯瞰できる贅沢な景色を眺められることも、ここの美しさの一つなのでしょう。
—– 探訪メモ —–
専用の駐車場も完備され標識もわかりやすいものがあり、見学者向けにとても整備された円筒分水です。説明の表示もしっかりあり、いろいろな角度から眺められるようになっています。円筒分水そのものの美しさもさることながら、上流に見える山、下流に見える平野とその先の海、周辺の景色含めて美しい円筒分水です。